日本一アンチが多い油そば屋!? 気になるりゅう社長の素顔とは?「油そば鈴の木」はなぜそんなに低評価なの!? 名物オーナー・りゅう社長に話を聞いてみた!
りゅう社長とはいったいどのような人なのか? スペシャルインタビュー!
このような不思議な店舗「油そば鈴の木」だが、オーナーのりゅう社長はYouTubeのグルメ系インフルエンサー「東京コスパグルメ 」で何度も取り上げられ、その動画は23年12月20日現在で1,000万回以上も再生されている。
しかし、りゅう社長の人となりや、どういった考えで経営しているのか? といったことはあまり伝えられていないのが現状だ。そこで筆者は、実際にりゅう社長にお会いして直接話を伺ってみたぞ!
――まずは、起業される前の話から伺います。りゅう社長は学生時代にバックパッカーをしていたそうですね
りゅう社長(以下:りゅう):学生時代に世界中を回っていました。一番最初の海外は香港で、一番最初に一人旅をしたのがニューヨーク。それ以降あっちこっち一人旅をしました。右も左もわからない異国の地に1人でいると、メンタルが鍛えられますし世界観や価値観が大きく変わりました。
――そのような経験を踏まえて、油そば屋のオーナーになったのはどうしてですか?
りゅう:元々は飲食業に興味はありませんでした。ラーメンは好きでしたけど特別な思い入れがあるわけでもなく、それを生業にしたいとも思っていませんでした。
ただ、そこである人と「飲食店で大企業を創るぞ!」と約束しまして、それで始めたんです。この「約束」に関しては、時期がきたら発表したいなと考えているのでここでは伏せます。
――なぜラーメンではなく油そばにしたのですか?
りゅう:実はラーメンは好きでしたが、油そばって嫌いだったんですよ。どこで食べても美味しいと思えるものがなくて……。
とはいえ、自分がお店をやるときに、好きなものを追求するよりも嫌いなものを好きになるように追求するほうがブレずにがんばれるのでは? と考えたんです。
嫌いなものが好きになったときの一杯って自信につながるのかなと。そこからYouTubeやGoogleを見て独学で勉強しました。
――全部独学なんですか!
りゅう:そうなんです。今の時代でも有名店で修行する人は多いとは思うのですが、これからの時代は「YouTubeやGoogleで学び実践して壁にぶつかり」を繰り返すことが修行になると感じています。それを2017年くらいから時代に先んじて実践しました。
――だから独自の油そばを作り出せたのですね
りゅう:「鈴の木の油そばは、油そばじゃない!」という人もいますけど、僕が油そばだと思えばそれでいいじゃないかと思っています。
実際にお客様のなかには「油そばは嫌いだったけど、これを食べて好きになりました」と言ってくださる方も多いんですよ。
――油そばはあのくどさや口に残る油臭さが苦手な人も多いですね
りゅう:そうなんです。食べたときのパンチはあるけどくどさがない油そばだと自負しています。
僕はあのくどさが嫌いだったので、それを消すためにはどうするかを考えて、スープで割る方法を思いつきました。
ただ、油そばってスープがないから原価が低いと言われるのですが、この油そばはスープがある分原価が高くなってしまいました(笑)。
――しかし、追い飯を残ったスープに入れて味わうこともできますよね
りゅう:油そばの最後に追い飯で締めるというのは、ほかの油そばのお店ではあまりないんじゃないでしょうか。鈴の木では最後に追い飯で締めて、お腹いっぱいになってもらうのもコンセプトのひとつになっています。
――「美味しかったらもう一杯」というサービスもあります
りゅう:平日の14時~17時の間に来店いただて「美味しかった」と言っていただければ、スマイル麺という300円の油そばが一杯無料になるサービスをさせていただいてます。
――それはお得ですね。ところで、修行した期間はどれくらいでしょうか?
りゅう:今もずっと修行をしているので期間というのはありません。ただ、最初にお店を立ち上げるときは、お店のシャッターに「味が決まるまではオープンしません」と張り紙をして、内装工事をしているなかで味の研究をしていました。
――池袋に出店したのはなぜでしょうか?
りゅう:ここにお店を構える前は、さいたま市宮原という場所で4年8カ月営業していまして、その頃から30歳になったら大きく勝負をしようと考えていました。そのようなときに、この「ラーメン屋の墓場」の話が来たんですよね。
そもそもこの場所は、8年間で11店舗が入っては撤退を繰り返していたんですよ。そこで「よし僕がここでやってやろう」と思いました。
同時期にもっと条件の良い商業ビルからも「出店しないか」とオファーを頂いていたのですが、より難しい方向に行ったほうが「独学素人の僕でも成功できるビジネスモデルを作った」とアピールできると考えたんです。
飲食で大企業を創るのが目標でフランチャイズ展開を視野に入れていたので、オーナーを目指す人に対してもアピールできるという考えもありましたね。
――常に一歩先を見ているんですね。YouTubeでも大きくバズりましたが、あれはどういったきっかけなのでしょうか?
りゅう:実は、僕はYouTubeに自分のチャンネルを持っていません。僕がやりたいのは飲食店経営者であって、YouTuberではありませんから。
YouTubeを始めてしまうと、撮影や編集に時間を取られてしまって飲食店経営の仕事を全うできなくなってしまうと考えています。
だったら、YouTuberの方から来たくなるような店を作れば、それに僕が乗っかればいいと。それが有名なインフルエンサーであれば、一気に再生数も伸びて知名度が上がります。
さらに、YouTuberに来てくださいと依頼するとギャランティが発生しますが、来ていただくのであれば無料ですからね。
ちょうどYouTuberの動画の再生数が伸びづらくなっていた時期ということもあり、鈴の木のような「面白い飲食店」の動画が刺さったんでしょうね。
たとえば「美味しくなかったら全額返金」というワードは、YouTube的にキャッチーですよね。本当に返金してもらえるのか、味はどうなのかと視聴者も食いつくんですよ。
――たしかにキャッチーなワードを考えるのは、飲食店経営の妨げにはなりませんね
りゅう:そうなんです。おかげさまで「YouTube Shortの視聴率男」みたいに巷で言われています(笑)。
「水溜りボンド」さんっていうフォロワー400万人を超えるYouTuberがいるのですが、その方のShort動画に亀梨和也さんが出た回は96万再生でした。
その次の次が僕だったのですが、その動画は400万回再生されているんです。トレンドを取れているのかな、と実感しています。
――Googleのクチコミで星1.6だったり、日本一アンチのいるラーメン屋というキーワードだったりとネガティブな要素もありますが
りゅう:そもそも、うちはアンチが多かったんです。そこでまず「りゅう社長」というアンチの受け皿を作りました。スタッフや商品に向かう誹謗中傷を、僕だけに集中させるためです。
そして、SNSの動画で一切喋らずに変な動きをするキャラクターを演じました。1年間一切喋らずに動画を出して、メディアに出たときに全部思っていることを話すという戦略です。
ちょうどそのタイミングで「令和の虎」というYouTubeの番組に出演できたので、そのときに一気に自分の考えを喋りました。
そのときに自分のキャッチコピーとして「日本一アンチのいるラーメン屋」と付けたんです。
――その「日本一」というのはどこからきたのですか?
りゅう:飲食店やラーメン屋さんを調べて、ここまでクチコミの件数が多いにもかかわらず星1.6のお店なんてほかにありませんでした。
クチコミ件数が少なくて星も低いお店はあるんですが、件数が1,000件を超えるなかでこんな低評価のお店はありませんよね。
そこで、こんなにアンチがいるのなら逆に利用してやろうと思って、このキャッチコピーにしたのです。
――狙い通りに一気に火が付きましたね
りゅう:令和の虎の再生数も伸びましたし、SUSURU TV.という超有名なラーメンのインフルエンサーにも来店いただきました。
――アンチといえば、鈴の木さんにまつわる単語で「癒着丼」というものがあります
りゅう:ラーメン屋は「味で勝負」という時代があり、お客様も「ラーメン屋は味で勝負」という意識が強いんです。
たとえば、居酒屋がSNSに乗っても何も言われないのに、ラーメン屋がSNSで宣伝されると「インフルエンサーと癒着している」って言われるんですよ。
そこで、ラーメン業界ではお客様にラーメンを提供するときのことを「着丼」というのですが、それに「ゆ」を付けて「癒着丼」と揶揄されました。でも、これってキャッチーな言葉で、バズるんじゃないかと考えたんです。
そのようなときに、SUSURU TV.のSUSURUさんが来店して「癒着丼」という言葉を番組内で出してくれて一気に流行りました。今では癒着丼パーカーや癒着丼シールを作ってビジネスにつなげています。
――発想がすごいですね
りゅう:このサングラスや風貌も最初はバカにされていたんです。でも、「りゅう社長のサングラスのパロディ商品」は全国のバラエティショップでも販売するくらい、知名度が高くなりました。
――最後に、この記事を読んでいる人にコメントをお願いします
りゅう:生きたいように生きて、やりたいようにやりましょう。それだけですよ、他人の目を気にするな、どうせみんな死ぬんですから(笑)。
人生すぐに終わってしまいますし、他人の目を気にしているってことは自分の人生を歩んでいないってことです。この言葉は僕が大事にしている言葉です。
――本日はありがとうございました!
■りゅう社長のトレードマークのパロディサングラスが発売決定!
「ブラボーサングラス」は、2023年末から、ドン・キホーテの一部店舗などで発売中だ。ファンならばこのサングラスをかけて油そば鈴の木を訪れよう!
■ブラボーサングラスパーカーも発売予定
こちらは2024年に発売予定となっている「ブラボーサングラス」柄のパーカー。まだ詳細は未定だが、サングラスとセットで揃えたい。
イメージ画像は筆者撮影
編集・ライター。アーケードゲーム月刊誌と書籍、トレーディングカードゲーム雑誌の編集を経て、現在はライフスタイル系、オタク向け、オーディオ関連など多ジャンルの書籍に関わっている。趣味は広く手を出しているが、現在はトレーディングカードとオーディオ、VTuber動画視聴がメイン。新人VTuberを毎日チェックするのが楽しみ。コミックマーケットは晴海時代に参加していたが、一時期離脱していて最近また復帰している。
- 店舗名
- 油そば鈴の木
- 住所
- 東京都豊島区池袋2-18-2 オーロラビル 1階
- 電話番号
- 03-6709-1476
- 営業時間
- 11:00~23:00
- 休日
- 無休
- 最寄り駅
- JR 池袋
- @SUZUNOKI0427