結束バンドが歩いた通りを追体験!【聖地巡礼】第1回「ぼっち・ざ・ろっく」の聖地“下北沢”は再開発で聖地が消滅する!?

公開日:2023年4月29日 更新日:2023年4月29日

最近、実在する地域を舞台に物語が展開するアニメや漫画も増えてきたこともあり、数年前からファンの間では、作中に登場する地域を巡る“聖地巡礼”が定番イベントとなっている。そこで今回は、今訪れるべき聖地を紹介しよう。記念すべき第1回は、2022年大きな話題になった『ぼっち・ざ・ろっく』の舞台「下北沢」。ここは駅周辺の再開発が進み、どんどん聖地が消えてしまうかもしれないのだ……。

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下北沢は駅の再開発で風景が激変! すでに『ぼっち・ざ・ろっく』の再現が不可能な聖地も……

映画やテレビの撮影が行われたロケ地巡りは、かなり前からファンの間で密かに行われてきた。

その後、アニメにも実在する地域が作中に登場する作品が増えたため、たとえば『涼宮ハルヒの憂鬱』の兵庫県西宮市、『おねがいティーチャー』の長野県木崎湖、『セーラームーン』の東京麻布十番などを巡るファンが現れるようになる。もちろん、その当時は“聖地巡礼”という名称はなく、ドラマのロケ地巡りに近い雰囲気である。

ところが、2007年放送のテレビアニメ『らきすた』では、地域ぐるみの盛り上がりを受けて“聖地巡礼”という趣味がアニメファンの間で広く浸透していくようになった。

現在では『らきすた』の鷺ノ宮神社、『ガールズアンドパンツァー』の大洗、『ラブライブ!サンシャイン!!』の沼津などが代表的な聖地巡礼地になっている。

そのようなアニメ聖地は数多くの作品で見られ、登場する地域も日本全国に散らばっている。そこで今回は、今訪れるべきオススメの聖地を紹介しよう。記念すべき第1回目は2022年テレビアニメ放映で人気が沸騰した『ぼっち・ざ・ろっく』の舞台である「下北沢」だ。

『ぼっち・ざ・ろっく』は、引きこもりが故にギターのテクニックだけが上達してしまった主人公「後藤ひとり」が、なし崩し的にガールズバンド「結束バンド」に加入し、バンドメンバーと一緒に成長していく青春バンドアニメ。

原作は「はまじあき」氏による4コマ漫画で、芳文社まんがタイムきららMAXで現在も連載中。単行本は2023年4月で5巻が発行されている人気漫画となっている。

アニメはアニプレックスと芳文社が制作しており、2022年10月から12月にTOKYO MXやBS11、AT-AXなどで放送され、人気に火が付いた。

●ぼっち・ざ・ろっくアニメ公式サイトは→こちら

●ぼっち・ざ・ろっく漫画公式サイトは→こちら

 

再開発で見られなくなる空き地や公園まで聖地の範囲はかなり広め!

今回は『ぼっち・ざ・ろっく』の舞台となった「下北沢」を紹介するが、ご存じのとおり下北沢駅周辺は近年の再開発で大きくその姿を変えている。場所によっては今後消えてしまう場合もあるので、ファンなら今のうちに訪れておきたいところだろう。

ただし、アニメの聖地は観光地ではないのでそれなりの配慮が必要だ。とくに住宅地や公園、ショップなどを訪れる場合は、騒いだり周囲の迷惑になる行為は厳禁! ファンなら作品の評判を貶めないよう十分に気を付けてほしい。

聖地巡礼の注意!
聖地巡礼には必ず下記を遵守し、周辺住民の迷惑にならないようにしよう。
1.景観を荒らさず、環境を保つ(ゴミなどは持ち帰る)
2.立ち入り禁止&撮影禁止の場所を事前に確認し、私有地には勝手に立ち入らない
3.住宅街では騒がず静かに! 撮影も速やかに済ませること
4.写真をSNSなどにアップするときは、写っている人物にボカしをかけてプライバシーに配慮する

■ライブハウス「下北沢SHELTER」

まず最初は結束バンドがメインで使用しているライブハウスだ。作中での登場回数も多く、聖地巡礼に多くの人が訪れている。そのためライブハウス前には注意喚起の看板があるので、しっかりルールを守って聖地巡礼を楽しもう。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 下北沢SHELTER

作中に何度も登場するため、多くのファンが訪れているライブハウス下北沢SHELTER。看板にもあるように周囲の迷惑にならないよう十分に配慮しえてほしい(筆者撮影)

■本多劇場 ビレッジバンガード前

ライブハウスの次は、ライブハウスへ向かう経路にある「本多劇場」と「ビレッジバンガード」前の通り。後藤ひとりがビクビクしながら初めてライブハウスを訪れる際に、作中でこの通りが細かく表現されている。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 本多劇場前

ライブハウスへ向かう道にある「本多劇場」と「ビレッジバンガード」。この通りは『ぼっち・ざ・ろっく』の作中に何度も登場する有名な聖地だ(筆者撮影)

■下北線路街 空き地

こちらは結束バンドのメンバーが作戦会議を行った下北線路街 空き地。『ぼっち・ざ・ろっく』のアニメにも登場した土管やキッチンカーによるカフェが併設されている。再開発地域なので、おそらくアニメと同じアングルで撮影できる期間は短いだろう。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 土管公園聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 土管公園

土管が目印の下北線路街 空き地。入口はテーブルとイスが並べられキッチンカーも出ていた(筆者撮影)

■どんぐりひろば公園

結束バンドのメンバーでアー写撮影で訪れ、その後、後藤ひとりが歌詞が書けずに落ち込んでいたのがどんぐりひろば公園だ。遊具もしっかり設置されている。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく どんぐり公園聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく どんぐり公園

結束バンドのメンバーで訪れたり、後藤ひとりが歌詞が書けなくて落ち込んでいたどんぐりひろば公園。『ぼっち・ざ・ろっく』の作中では遊具や植え込みまで見事に再現されている(筆者撮影)

■ADRIFT横にある通り

リョウに相談したひとりが、帰りに立ち話をしていたADRIFT横の小道。夜に行くと落ち着いた雰囲気に包まれる憩いの場だ。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく ADRIFT聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく ADRIFT聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく ADRIFT

下から見上げた街路灯は夜のシーンで印象的に使われていた。下北沢駅からは少し離れているため人が少なく、落ち着いた雰囲気だ(筆者撮影)

■アー写を撮影した壁

結束バンドのメンバーでアー写を撮影したときに背景にした壁。コインパーキングの入り口となっているので、通行の妨げにならないように十分注意したい。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく アー写の壁聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく アー写の壁

アー写を撮影した壁のある建物は蔦が絡まっていてなかなかエモい。季節によって蔦の様子も変わるのだが、今回は葉が茂り『ぼっち・ざ・ろっく』の作中と同じような雰囲気だった(筆者撮影)

■アー写を撮影した駐車場

結束バンドのアー写を撮影するために訪れた駐車場。この金網に見覚えがある人は多いだろう。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 駐車場

駐車場と通りに高低差があって、『ぼっち・ざ・ろっく』の作中には駐車場側から金網を撮影しているシーンもあった(筆者撮影)

■アー写を撮影した階段

下北沢は意外と高低差がある場所が多く、この階段もそのひとつ。階段の中腹で結束バンドのメンバーがアー写を撮影していた。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 階段

結束バンドのメンバーがアー写を撮影していた生活道路の階段。観光地ではなく住宅地のど真ん中なので、撮影は静かに速やかに済ませよう(筆者撮影)

■下北沢を移動する結束バンドメンバー

結束バンドのメンバーが下北沢を散策中に通った駅前広場。こちらも現在再開発中で、壁やゲートが設置されているが、おそらく工事完了後は『ぼっち・ざ・ろっく』の作中と同じ風景での撮影は叶わないだろう。

聖地巡礼 ぼっち・ざ・ろっく 駅前広場

この場所は小田急線の線路が敷設されていた場所で、現在は再開発中。失われてしまう風景なので工事が終わる前に訪れたい(筆者撮影)

聖地巡礼第1回目『ぼっち・ざ・ろっく」の聖地「下北沢」はいかがだっただろうか? 作中では下北沢の街並みが忠実に再現されているため、見覚えのある風景が多いはずだ。

ちなみに、『ぼっち・ざ・ろっく』の聖地は下北沢駅周辺に集中しているが、ほかにも江ノ島や金沢八景などにも聖地が存在する。関東近郊ということもありこのGW中に訪れてみるのもアリだろう。くれぐれも周囲には十分な配慮をして楽しんでほしい。
(文=西澤浩一)
イメージ写真は筆者撮影
筆者プロフィール
西澤浩一
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。