人気のイラスト制作ソフト「クリスタ」に大きな異変が!!イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」のVer.2.0が発表に! ついに一括払い版もサブスク化!?

公開日:2022年8月31日 更新日:2022年8月31日

2022年8月22日、多くの人気絵師が利用しているイラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT(通称:クリスタ)」を販売する株式会社セルシスから大きな発表があった。それは、2023年前半に投入される予定のVer.2.0では、買い切りの「一括払い(無期限)版」について、機能拡張の無償バージョンアップが終了されることである。10年続いた人気イラスト制作ソフト「クリスタ」のこの異変に同人業界もザワついているようなので、今回はクリスタが今後どうなっていくのか詳しく解説しよう。

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有償アップデートプランの新設で一括払い版もサブスク化される!?

2022年8月22日、「CLIP STUDIO PAINT EX」や「CLIP STUDIO PAINT PRO」などマンガやイラスト制作ソフトを提供している株式会社セルシスは、2023年前半に投入するVer.2.0において、イラスト制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT(クリスタ)」の販売方法変更を発表したことで、同人業界がザワついている。

「クリスタ」は、多くの人気絵師が愛用している高機能なイラスト制作ソフトのこと。さまざまなプラグインを導入することで自分なりにカスタマイズができるのが特徴で、一定のパターンの連続して描画できるブラシ機能や、マンガ表現に用いられる集中線やベタ・トーンなどが簡単に制作・設定できるのが便利だ。

現在、クリスタのソフト販売形式は「月額利用プラン」と「一括払い(無期限版)」の2つがある。月額利用プランはいわゆるサブスク(月定額)サービスで、常に最新版のソフトを利用できるプラン。こちらを利用している人はVer.2.0発表後も同様のサービスが受けられる。

今回、注目されているのは買い切りの「一括払い(無期限)版」のほうだ。これまでは一度購入すればそれ以降の費用はかからず、機能拡張アップデートも無償で提供されていた。ところが、Ver.2.0の投入後は、機能拡張アップデートに「アップデートプラン(1年間)」の契約が別途必要となるのである。しかも、現状ではどの程度の費用負担になるのか発表されておらず、多くのユーザーがザワついているというわけだ。

ちなみに、現在の月額利用プランは「Pro」が1デバイスプランで月額480円(年額2,800円)、「EX」が1デバイスプランで月額980円(年額7,800円)となっているが、2023年前半に投入されるVer2.0の一括払い(無期限)版の価格は不明なので、その価格しだいではユーザーの大きな流動があるかもしれない。クリスタユーザーは、今後、セルシスの発表に注目だ。

クリスタ ロードマップ

こちらが現在公開されている一括払い(無期限)版の適応表。一括払い(無期限)版はVer.2.0投入後も不具合の修正アップデートには対応するが、新機能の追加アップデートには非対応となり、追加するには有償の「アップデートプラン」が必須となる(画像は「CLIP STUDIO PAINT」公式サイトから転載)

●CLIP STUDIO PAINT「2023年以降のWindows / mac OS 一括払い(無期限)版の提供・販売方法変更予定のお知らせ」→ここ

クリスタのラインナップは少々複雑だが、まとめると下記のようになる。

現在のプラン 今後の変化
月額利用プラン利用者 ・変化なし
一括払い版利用者 ・購入したバージョンで利用し続ける(Ver1.X or Ver2.0.1 )
・フル機能を使うならVer2.0を購入しアップデートプランで利用する
・月額利用プランに変更する

イラスト制作ソフトの一括購入版はこれで消滅する!?

そもそも、ソフトの利用は「サブスク」か「一括購入(買い切り)」のどちらがいいのかについては、ほかのソフトやサービスでも議論になっており、それぞれにメリットとデメリットがある。

今回、クリスタのVer.2.0では一括購入版でも有償サービスを別途受けなければ新機能が追加されなくなったことで、ユーザーのなかには「買い切りがあるからクリスタを使っていたのに……」という声も聞かれる。

そこで、編集部では「サブスク」と「一括購入」のメリットとデメリットを表にまとめてみた。自分にとって、どちらのほうがお得で便利なのかじっくり比較検討してみよう。

 

■サブスクと一括購入(買い切り)のメリットとデメリット

メリット デメリット
サブスク ・常に最新バージョンで使える
・初期投資が安い
・肌に合わなければいつでも止められる
・ランニングコストがかかる
・買い切りよりも高くなることも
・利用していない期間がムダに思える
買い切り ・一度支払えばそれ以上お金はかからない
・期間の縛りなく使える
・試用期間で止めれば使い心地も試せる
・初期投資費用が高い
・後継ソフトに搭載される新機能が使えない
・試用期間がないと購入したあとで使いづらいことも……

続いて、現在発売されている人気のイラスト制作ソフトの支払い形式や使用期間について紹介しておこう。一括購入(買い切り)版ソフトの場合は試用期間も重要になるので、是非こちらもチェックしてほしい。

支払い方式 試用期間
Photoshop→ここ ・フォトプラン:月額1078円(税込) ・7日間(全機能利用可能)
SAI→ここ ・5,500円(税込) ・31日間(体験版で利用可能)
アイビスペイント→ここ ・広告解除版:1,220円(税込)
・買い切り版(Windows版):2,350円(税込)
・プレミアム版:月額300円、年額3,000円(税込)
・一部機能制限&広告表示の無料版あり
・1日1時間までの無料体験モードあり
Paintstorm Studio→ここ ・パソコン版買い切り:19USD
・iPad版買い切り:1,600円(税込)
・パソコン版は30回起動可能
・iPad版は機能制限バージョンあり
Adobe Fresco→ここ ・単体プラン:年額1,078円(税込) ・無料で使える機能制限版あり
・30日間の無料体験期間あり
Procreate→ここ ・1,220円 ・体験版なし

機能や対応機種などの違いもあるため一概には言えないが、試用期間があるソフトを試してみるいい機会なのかもしれない(表は公式サイトを元に編集部で作成したものです)

(文=西澤浩一)
イメージ写真はCLIPSTUDIOPAINTから転載

@clip_celsys
https://www.clipstudio.net/