新海誠が描く桜が印象的な名作アニメ【聖地巡礼】第19回『秒速5センチメートル』– 参宮橋・代々木周辺を探訪!

公開日:2024年4月10日 更新日:2024年5月15日

数年前からファンの間では、作中に登場する地域を巡る“聖地巡礼”が定番イベントとなっている。そこで今回は、桜が印象的なアニメ『秒速5センチメートル』の聖地を紹介しよう。『秒速5センチメートル』は2007年に発表されたアニメだが、今でも人気が高く今回の巡礼中にも多くのファンの姿を見かけるほどなのだ。

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『秒速5センチメートル』の聖地は参宮橋・代々木周辺!

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『秒速5センチメートル』は、2007年に公開された新海誠監督の3作目の劇場アニメ。その人気の高さから半年に渡ってロングラン上映が行われた作品であることは、みなさんご存じだろう。桜が作中の演出で印象的に登場することから、桜が咲くと思い出す人も多いと思う。

『秒速5センチメートル』は3つの連作となるオムニバス形式の映画。主人公の少年時代を描いた「桜花抄(おうかしょう)」、高校生時代の種子島での出来事を描いた「コスモナウト」、社会人時代を描いた「秒速5センチメートル」に分かれている。

物語の主人公は「遠野貴樹(とおの たかき)」という病弱な少年で、両親の仕事の都合で転校することが多く本を読むことが好きなおとなしい小学生。小学3年生のときに「篠原明里(しのはら あかり)」が転校してくるが、2人はしだいに仲良くなっていく。

中学生になると篠原明里が親の都合で栃木へと転校してしまい、さらに遠野貴樹は鹿児島へ引っ越すことに。引っ越す前に篠原明里に会いたいと思った遠野貴樹は、文通を通じて東京から栃木まで行き再会を果たす。しかし、中学生ができることは少なく篠原明里を守りたいと遠野貴樹の思いは募るばかりであった……。

このように『秒速5センチメートル』は少年少女の甘酸っぱい初恋から社会人までの変化を描いた作品で、作品の結末には賛否があるものの見る人の心に残る印象的な作品であろう。

主人公たちが少年時代に過ごした地域は参宮橋や代々木周辺がモデルで、今でも聖地として有名。ちなみに“秒速5センチメートル”とは、桜の花びらが落ちる速度のことで、桜とは切っても切れない作品でもある。

●秒速5センチメートル公式サイトは→こちら
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代々木は住宅街なのでマナーを守って聖地訪問を!

『秒速5センチメートル』の舞台となっている代々木は都内でも有数の高級住宅街だ。そのため聖地へは静かに訪れたい。また、学生も多い地域なので撮影には配慮が必要だ。『秒速5センチメートル』ファンなら作品の評判を貶めないよう、十分に気を付けて聖地を楽しんでほしい。

聖地巡礼の注意!
聖地巡礼には必ず下記を遵守し、周辺住民の迷惑にならないようにしよう。
1.景観を荒らさず、環境を保つ(ゴミなどは持ち帰る)
2.立ち入り禁止&撮影禁止の場所を事前に確認し、私有地には勝手に立ち入らない
3.住宅街では騒がず静かに! 撮影も速やかに済ませること
4.写真をSNSなどにアップするときは、写っている人物にボカしをかけてプライバシーに配慮する

■渋谷区立参宮橋公園

少年時代に桜の花びらの落ちる速度を遠野貴樹が、篠原明里へ教えたシーンで登場した公園がこの「渋谷区立参宮橋公園」。最寄り駅は小田急線「参宮橋駅」で、住宅街の路地の坂を登れば数分で到着する。

小高い丘にある公園で住民の憩いの場となっているが、作中で登場する公園とは桜の木の位置が違うので、撮影時は注意しよう。

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取材時の公園では桜が満開となっていた。作中の桜の位置と、実際の公園内の桜の位置は違うので注意してほしい(筆者撮影)

■参宮1号踏切

少年時代に遠野貴樹と篠原明里が一緒に渡った踏切が「参宮1号踏切」。二人の間を列車が横切ることで、これからの関係が断たれるようなシーンとなっている。

参宮1号踏切は、小田急線「参宮橋駅」からは線路沿いに3分ほどの場所にある幅の狭い踏切だが、通過する列車の数が多いので撮影時は列車の接近に注意したい。

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住宅街の狭い路地にある踏切だが交通量が多く、なかなかシャッターチャンスが来ないことも……(筆者撮影)

■参宮橋

予告映像で『秒速5センチメートル』というタイトルが表示される場面で登場するのが、この「参宮橋」から見た風景。

小田急線が道路より下を走行しているため、車両の様子がよく分かる撮影スポットにもなっているが、小田急線「参宮橋駅」から参宮橋方面に数分ほど歩けば到着することができる。

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橋の上から小田急線がよく見える絶景スポット。参宮橋から参宮橋駅に向かうと、急な坂を下りこの小田急線の線路と同じ高さまで下ることになる(筆者撮影)

■参宮橋駅のバス停近くの公衆電話

篠原明里が遠野貴樹へ電話した公衆電話のモデルは、小田急線「参宮橋駅」のバス停の近くにある。携帯電話やスマホが普及している現在では、いつなくなってもおかしくない聖地のひとつだろう。

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今や珍しくなった公衆電話。いつなくなっても不思議ではないので撮影したい人は早めに行ってみよう(筆者撮影)

■代々木八幡宮

「代々木八幡宮」は、少年時代の遠野貴樹と篠原明里がよく遊んでいた場所として登場する。小田急線「参宮橋駅」からはかなりの距離があるので、小学生の活動範囲としては広く活発な面が見られるかも……。代々木八幡宮の最寄り駅は小田急線「代々木八幡駅」で、徒歩5分程度でたどり着けるぞ。

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都会の真ん中の森に囲まれたような場所にある代々木八幡宮。ここも丘の上にあるため、どこから向かうにも急な坂や階段を登る必要がある(筆者撮影)

■代々木5丁目の交差点

小田急線「代々木八幡駅」から5分程度の場所にある「代々木5丁目の交差点」は、少年時代の遠野貴樹と篠原明里が階段から下りてくるシーンで登場する。

とても細い、人専用の路地となっているので通るときには注意しよう。ちなみに、この階段の先は代々木八幡宮へと繋がっているので一緒に回るといい。

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建物の左側の階段から降りてきた主人公の2人。この階段の先は代々木八幡宮へと繋がっている(筆者撮影)

■代々木公園の桜

「代々木公園の桜」は少年時代の遠野貴樹と篠原明里がキスをしたシーンの目印。園内のフワラーランドエリアの近くで、背の低い桜の木がモデルとなっている。近くには何本か桜の木が植えてあるので間違えないようにしよう。

最寄り駅は千代田線「代々木公園駅」で、広い園内を歩いて10分ほどの場所にある。

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代々木公園は二人がキスをした思い出の場所。今の時期は桜が満開で花見客で混雑しているはずなので、撮影には気をつけたい(筆者撮影)

■参宮橋3号踏切

大人になった遠野貴樹がラストシーンで訪れる踏切のモデルが「参宮橋3号踏切」だ。とても印象的なシーンなので、この踏切は桜が咲いている時期に多くのファンが訪れることでも有名。実際に筆者が訪れたときも数人のファンの姿が見られた。

近隣の様子は映画公開から随分と雰囲気が変わってしまったが、まだ道路の曲がり具合や踏切には面影が残っているため、その痕跡を探すのも面白いだろう。参宮橋3号踏切の最寄り駅は小田急線「参宮橋駅」で、10分程度線路沿いを進めば到着できる。

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ここがラストシーンで登場する踏切。アパートが建っていたり桜の木がなくなってしまったりして、残念ながら当時の雰囲気は消えつつある(筆者撮影)

 

(文=西澤浩一)
イメージ写真は筆者撮影
筆者プロフィール
西澤浩一
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。