タイムリープ&SFサスペンスの聖地の島を巡る!【聖地巡礼】第11回『サマータイムレンダ』の舞台 ー 和歌山県「加太」&「友ヶ島」

公開日:2023年10月13日 更新日:2023年10月16日

実在する地域を舞台にしたアニメや漫画が増えてきたこともあり、数年前からファンの間では、作中に登場する地域を巡る“聖地巡礼”が定番イベントとなっている。そこで今回は、2022年に放送されたタイムリープサスペンスアニメ『サマータイムレンダ』の聖地を紹介しよう。原作マンガでは和歌山の友ヶ島が舞台であることは分かっていたが、アニメでは加太や友ヶ島の細かな聖地も判明している。放送から1年以上が経過しているが、今でも盛り上がっている聖地を紹介しよう。

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『サマータイムレンダ』の舞台は和歌山県の港町・加太と紀淡海峡に浮かぶ友ヶ島!

映画やテレビの撮影が行われたロケ地巡りは、ファンの間ではかなり前からこっそり行われてきた。そこで今回紹介するのは、2022年4月から9月までアニメが放送されていた『サマータイムレンダ』である。

『サマータイムレンダ』は、2017年10月から21年2月まで集英社の「少年ジャンプ+」で連載された田中靖規氏の人気漫画。連載終了後にアニメ化や実写映画化が発表され、22年4月からアニメが放送されている。

『サマータイムレンダ』は和歌山県の加太や友ヶ島がモデルとなった「日都ヶ島(ひとがしま)」が舞台。主人公の「網代 慎平(あじろ しんぺい)」は中学の時に東京へ引っ越してしまい、幼馴染の「小舟 潮(こふね うしお)」の訃報を聞き、2年ぶりに故郷の日都ヶ島に帰ってきた。

慎平は潮の死に不可解な点を感じていたが、「影を見たものは死ぬ」という昔から島に伝わる伝説と葬儀翌日に突如として姿が見えなくなった一家がいたことで、大きな事件に巻き込まれていく。

何度も同じ時間を繰り返すタイムリープと、島に伝わる謎を解くサスペンス要素が絡み合ったストーリーで、未見の人にもオススメしたいアニメのひとつだ。

●集英社『サマータイムレンダ』公式サイトは→こちら
●TVアニメ『サマータイムレンダ』公式サイトは→こちら

加太や友ヶ島は穏やかな港町、マナーを守って聖地訪問を!

『サマータイムレンダ』の舞台となっている和歌山県の加太と友ヶ島は穏やかな港町で、大戦中の砲台や倉庫の跡地が点在している地域だ。また友ヶ島は自然豊かな島なので、トレッキング程度の装備で訪れるのがいいだろう。

もちろん、聖地探訪にはそれなりの配慮が必要となる。とくに今回紹介するような自然豊かな地域を訪れる場合は、食料や水の事前準備やゴミの持ち帰りは当然のマナーだ。ファンなら作品の評判を貶めないよう十分に気を付けて自然を満喫して、聖地を楽しんでほしい。

聖地巡礼の注意!
聖地巡礼には必ず下記を遵守し、周辺住民の迷惑にならないようにしよう。
1.景観を荒らさず、環境を保つ(ゴミなどは持ち帰る)
2.立ち入り禁止&撮影禁止の場所を事前に確認し、私有地には勝手に立ち入らない
3.住宅街では騒がず静かに! 撮影も速やかに済ませること
4.写真をSNSなどにアップするときは、写っている人物にボカしをかけてプライバシーに配慮する

■南海電鉄なんば駅

聖地とは少し違うが、『サマータイムレンダ』と南海電鉄は現在コラボレーションをしており、「サマータイムレンダ巡りきっぷ」が販売されている。売り切れている駅もあるのだが、調べてみると(23年10月7日現在)なんば駅では売っていたため、なんば駅からのスタートとなっているのだ。ファンなら、このコラボ切符も確実にゲットしておこう。

また、聖地の加太駅は南海電鉄の駅なので、当然、南海電鉄を使って移動するのが便利だ。

なお、「サマータイムレンダ巡りきっぷ」には加太線と和歌山バスの1日フリー乗車券がついていて、価格は2,500円(税込)となっている。

●南海電鉄「サマータイムレンダ巡りきっぷ・サマータイムレンダ巡りきっぷライト」は→こちら

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南海なんば駅では加太駅までの直通運転をしていないが、少し手前の和歌山市駅までは直接行くことができる。特急に乗れば1時間程度で到着するので楽に移動ができるはずだ(筆者撮影)

■南海電鉄和歌山市駅

主人公の網代 慎平が島へ帰る際に一瞬だけ駅の車止めが見える。その駅が南海電鉄和歌山市駅だ。

聖地の加太駅に行くには南海電鉄和歌山市駅を経由する必要があるので、たとえ登場が一瞬だとしてもすぐに分かるようになっている。

和歌山市駅では潮の立て看板が自動改札横に設置されており、地元でもサマータイムレンダが認知されているようだ。

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和歌山市駅は加太線と和歌山港線、南海本線の3路線が交わるターミナル駅。乗降者数も多く駅ビルが併設された駅舎もなかなか近代的(筆者撮影)

■加太駅

慎平が船に乗る前に出てきた駅がこの加太駅。ホームの雰囲気などが作中でも再現されている。当然のように潮の立て看板が設置されていた。

加太線には「めでたいでんしゃ」という鯛をモチーフにしたラッピング列車が走っており、外観はもちろん、車内もつり革や座席のシートに海の生き物を見つけることができる。いろいろなところに工夫が見られるので、訪れた際はじっくりと観察しよう。

めでたいでんしゃは現在4編成運行されており、ラッピングも内装も違うので何度でも訪れたくなるだろう。なお、加太駅は南海線和歌山市駅から25分程度で到着できる。

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立て看板の設置よりもめでたいでんしゃのラッピングに目が奪われる。とくにつり革の形がカワイイ!(筆者撮影)

■加太観光協会

第10話で潮の妹「小舟 澪(こふね みお)」と友だちの「菱形 朱鷺子(ひしがた ときこ)」が雨宿りをしているのが、駅前の「加太観光協会」である。

バス停の待合所のように見えるが、実際にはバス停では無く休憩所なので注意しよう。訪れた際には観光協会はすでに閉まっていた。加太駅からすぐの場所にあり、徒歩1分とかからずに到着できるだろう。

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ちょっとした休憩にぴったりな加太観光協会。地元の観光スポットを調べることができる(筆者撮影)

■淡嶋神社

夏祭りが行われる神社のモデルが加太にある「淡嶋神社」だ。赤い鳥居と社殿ですぐに気がついた人も多いだろう。

淡嶋神社は人形供養で有名で、社殿並べられたたくさんの人形の迫力に少し驚いた。人形は仏滅と催事期以外なら受け付けているようなので事前に調べてみよう。

なお、淡嶋神社は加太駅から徒歩20分程度なのだが、路地を通るので迷わないように注意したい。

●淡嶋神社公式サイトは→こちら

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社殿に並ぶ人形はなかなかの迫力。仏滅には人形の受付をやっていないとのことので、人形をお預けするときは十分注意したい(筆者撮影)

■小嶋一商店

作中で何度も登場するコバトマートのモデルが、加太にあるよもぎ餅で有名な和菓子屋「小嶋一商店」。筆者がたどり着いたときには残念ながらすでによもぎ餅は完売していた……。

外階段と路地の雰囲気などはアニメ内でも忠実に再現されている。アニメでは派手な戦闘が繰り広げられる場所なので、「こんな狭いところで戦っていたのか」と感心してしまった。ちなみに、小嶋一商店は加太駅から徒歩15分ほどで到着できるぞ。

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小嶋一商店は事件の序盤に発生する戦闘として印象深いコバトマートのモデル。店舗にはサマータイムレンダの記事やポスターなどが貼られていて、多くの観光客が立ち寄っていた(筆者撮影)

■小嶋一商店周辺のY字路

頼りになるマタギの「根津」が去っていくシーンで登場するY字路は、小嶋一商店のそばにある。

物置小屋のような建物には地域のポスターが貼られているが、当然、『サマータイムレンダ』のポスターもあった。しかも、和歌山県警と協力して振り込め詐欺や熱中症対策などにも使われているのが面白い。地元の協力がしっかりと根づいている証拠だろう。

なお、こちらは先程の小嶋一商店から海側へ30秒ほど歩いたところにあるので、すぐに見つけられるはずだ。

聖地巡礼 サマータイムレンダ 小嶋一商店周辺聖地巡礼 サマータイムレンダ 小嶋一商店周辺聖地巡礼 サマータイムレンダ 小嶋一商店周辺

地元警察とのコラボは聖地巡礼が流行っている証拠。いろいろなポスターで潮の姿を見ることができるぞ(筆者撮影)

■友ヶ島汽船

「日都ヶ島(ひとがしま)」のモデルとなっている友ヶ島に行くには、この友ヶ島汽船のフェリーが唯一の公共交通機関。船は「ともがしま」と「ともがしまV」の2隻で運用されており、作中に登場するのは「ともがしま」がモデルの船だが、残念ながら筆者が乗った船は往復とも「ともがしまV」だった……。

作中で慎平が島に渡るときに作家の「南方ひづる(みなかた ひづる)」と出会うのがこの船の中。とても重要なシーンなので、できれば「ともがしま」のほうに乗りたいところだろう。料金は往復で大人2,200円(税込)となっており、到着には20分程度かかる。

通常は1日4往復、繁忙期には6往復を運行しているが、人が増える休日には臨時便を出してくれることもある。筆者が訪れたときは長蛇の列ができてしまい、その列がなくなるまで臨時便を何度も出していたようだ。また水曜日が定休日とのことなので訪れる際には注意してほしい。

●友ヶ島汽公式サイトは→こちら

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船は意外とスピードを出すのでかなり揺れる。写真撮影に気を取られてスマホを落とすことがないように注意したい(筆者撮影)