月島と言えば「もんじゃ」! でもほかに何があるの!?【更新】【聖地巡礼】第4回『江戸前エルフ』の舞台 ー 東京の下町「月島」と「佃」の注目ポイントはここ!

公開日:2023年7月24日 更新日:2023年7月24日

実在する地域を舞台にしたアニメや漫画が増えてきたこともあり、数年前から、ファンの間では作中に登場する地域を巡る“聖地巡礼”が定番イベントとなっている。そこで今回は、現在、絶賛放映中のテレビアニメ『江戸前エルフ』の聖地を紹介しよう。マンガ連載時から『江戸前エルフ』の舞台は月島と佃周辺だど分かっているので、今回は筆者が訪問すべき注目ポイントをピックアップする。

広告

「月島」と「佃」は近代的なタワマンと下町が共存する異空間!

※8話で登場した金沢チャンスセンターを追加(2023年7月24日)

映画やテレビの撮影が行われたロケ地巡りは、ファンの間ではかなり前からこっそり行われてきた。

その後、アニメのなかに実在する地域が作中に登場する作品が増えたため、たとえば『涼宮ハルヒの憂鬱』の兵庫県西宮市、『おねがいティーチャー』の長野県木崎湖、『セーラームーン』の東京麻布十番などを巡るファンが現れるようになる。もちろん、その当時は“聖地巡礼”という名称はなく、ドラマのロケ地巡りに近い雰囲気であった。

なお、聖地巡礼については、第1回目に詳しく解説しているので下記の記事をご確認いただきたい。

【聖地巡礼】第1回「ぼっち・ざ・ろっく」の聖地“下北沢”は再開発で聖地が消滅する!?

そのようなアニメ聖地は数多くの作品で見られ、登場する地域も日本全国に散らばっている。今回紹介するのは、2023年4月から放送されているテレビアニメ『江戸前エルフ』だ。

『江戸前エルフ』は、 樋口彰彦氏が2019年から少年マガジンエッジで連載している日常コメディマンガ。2023年3月に第7巻が発売されている人気作品である。

主人公の「小金井 小糸(こがねい こいと)」は高耳神社(たかみみじんじゃ)の新米巫女で、江戸時代に異世界から召喚され祀られたエルフ「エルダリエ・イルマ・ファノメネル」(通称:エルダ)のお世話係を務めており、親友の「桜庭 高麗(さくらば こま)」の協力のもと、巫女として成長していくというストーリー。

召喚されて400年以上が経過したエルダは、個人的な趣味と文明の利器に感動しつつ社に引きこもっている“ダメエルフ”だが、なぜか町内の住民からは慕われている。そんなゆる~い日常を綴った下町人情あふれる作品だ。

原作マンガでも東京の月島や佃が舞台なのは分かっているので、さっそく筆者が実際に『江戸前エルフ』の聖地を訪れてみたぞ!

●江戸前エルフ公式サイトは→こちら

●講談社マガジンエッジ『江戸前エルフ』公式サイトは→こちら

月島のもんじゃストリートを外れれば下町の住宅街、騒がず静かに訪問を!

今回は『江戸前エルフ』の舞台となっている「月島」と「佃」を紹介するが、観光地として有名なもんじゃストリートを1本でも外れると、下町情緒あふれる住宅街になっている。

そのため、聖地探訪にはそれなりの配慮が必要だ。とくに今回紹介する住宅地などを訪れる場合は、騒いだり周囲の迷惑になる行為は厳禁! ファンなら作品の評判を貶めないよう十分に気を付け、静かに楽しんでほしい。

聖地巡礼の注意!
聖地巡礼には必ず下記を遵守し、周辺住民の迷惑にならないようにしよう。
1.景観を荒らさず、環境を保つ(ゴミなどは持ち帰る)
2.立ち入り禁止&撮影禁止の場所を事前に確認し、私有地には勝手に立ち入らない
3.住宅街では騒がず静かに! 撮影も速やかに済ませること
4.写真をSNSなどにアップするときは、写っている人物にボカしをかけてプライバシーに配慮する

【更新】■金沢百番街チャンスセンター

第8話で金沢から月島に来たエルフ「ハイラ」が、お土産代をすべてスクラッチくじに使ってしまった場所が、金沢の駅ビルにある「金沢百番街チャンスセンター」だ。

「金沢百番街チャンスセンター」は金沢駅に併設されている、お土産屋と飲食店の複合施設「百番街」の入り口近くにある宝くじ売り場。ハイラが月島に向かう際にエルダたちにお土産を買おうとして百番街に入ったものの、入り口のチャンスセンターでスクラッチをしてしまったというダメっぷりがよく分かる配置となっている。

アニメやマンガで描かれてない部分も、現地に行くと想像できることが多く、これが聖地巡礼の醍醐味のひとつだろう。

江戸前エルフ 金沢チャンスセンター

なんの変哲のない宝くじ売り場。ハイラがお土産を買おうとして入ったものの、つい我慢できずにスクラッチをやってしまったのも仕方ないか……と確認できるのも聖地巡礼の醍醐味だ(筆者撮影)

■番外編渋谷109

第7話でエルダのイメージ内で登場したのがファッションビルとして超有名な「渋谷109」だ。オタクで引きこもりなエルダには渋谷が暗黒街に見えているようだが、実際に行ってみると平日にも関わらず多くの若者や観光客で溢れかえっている。やはり、のんびりしているエルダにはやや厳しいかもしれない……。

渋谷109は渋谷駅のハチ公改札口を出て左手を見るとすぐに確認できる。スクランブル交差点を通って徒歩2分程度ほどの距離だ。

渋谷駅といえば、JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東京メトロ銀座線・半蔵門線・副都心線、都営銀座線、東急東横線・田園都市線、京王井の頭線の5社10路線も乗り入れているビッグターミナル。

とは言え、現在、渋谷駅周辺は再開発中で通路や風景が大きく変わっている。地方から訪れる人は事前に渋谷駅周辺の最新情報をチェックしてから行ったほうがよいだろう。

江戸前エルフ 聖地巡礼 渋谷109

渋谷109はY字路の真ん中に建っているため、渋谷駅ハチ公改札口からもよく見える。多くの人が行き交っているので撮影する際には注意しよう(筆者撮影)

■佃大橋

物語の舞台となる月島の風景として特徴的なのが、この佃大橋の隅田川から見た風景だろう。川沿いにそびえ立つタワマンとのどかな公園が、月島の“今”を表現している。

佃大橋へは、地下鉄有楽町線と都営地下鉄大江戸線「月島駅」を出るとすぐに高架道路が見えるので、それに沿って歩道を2分程度歩けばたどり着ける。

江戸前エルフ 佃大橋

写真左側が月島、右側が築地や明石町となるが、ひときわ大きなビルが聖路加タワーである。川沿いは再開発が進み高層マンションが立ち並んでいるが、陸地側はまだ下町風情が感じられるエリアだ(筆者撮影)

■月島もんじゃストリート

物語に何度も登場するのが東京の有名な観光地「月島もんじゃストリート」。月島もんじゃストリートは中央区月島1丁目から3丁目までを繋いでいる「西仲通り」の約500メートル区間のことで、この通りにはもんじゃ屋さんが50店舗以上も集中している。

壱番街から四番街まで区画が分かれており、平日でも大勢の観光客で賑わっている。地下鉄「月島駅」7番出口は、月島もんじゃストリートに直結しているので、初めてでも迷うことはないだろう。

江戸前エルフ もんじゃストリート 壱番街江戸前エルフ もんじゃストリート 弐番街江戸前エルフ もんじゃストリート 四番街江戸前エルフ もんじゃストリート 参番街

昭和的な街並みが続くもんじゃストリートは大きく4つの区画に分けられ、現在のところ四番街の再開発が進んでいる。どうやらこの辺りもにもマンションができるようだ(筆者撮影)


■中央区立月島三丁目児童遊園

「中央区立月島三丁目児童遊園」は、川沿いのマンションの隣にある小さな児童公園だ。小糸とエルダの思い出が語られる印象的なシーンで登場した場所で、川沿いということもあり景色がとてもいい。今にもエルダが走って飛び出してきそうな雰囲気がある。

中央区立月島三丁目児童遊園は月島もんじゃストリートから隅田川まで出て、佃大橋の近くにある。月島駅からは徒歩4分程度はかかるので、地図をよく確かめて行こう。

江戸前エルフ もんじゃストリート 中央区立月島三丁目児童遊園江戸前エルフ もんじゃストリート 児童公園

こちらが夜にエルダが小糸を迎えに行った中央区立月島三丁目児童遊園。川沿いの小さな公園だが、リバーサイドの眺めはバツグンで夜景も美しい(筆者撮影)


■佃大橋のガード下

小金井 小糸と桜庭 高麗が通学に使った「佃大橋のガード下」も、ここ月島にある。特徴的なトラ柄の高さ制限ガードに見覚えがあるファンも多いだろう。

佃大橋のガード下までは月島駅から徒歩2分程度だが、目印としては「佃島砲台跡」を目指すといい。

江戸前エルフ もんじゃストリート 佃大橋ガード下

こちらが小糸が通学路に使っている佃大橋のガード下だ。桁下2.5メートルなので大型車が通れないのはもちろん、ハイエースでもギリギリ通れるほど。(筆者撮影)

■中央区立佃公園

小金井 小糸と桜庭 高麗の通学シーンで登場した住宅街にある小さな公園が「中央区立佃公園」。ここはいつも近所の子どもたちの遊び場となっている。

場所は佃大橋のガード下のすぐ近くになるが、佃大橋に登らずに橋のたもとに行くと見つけられるだろう。

江戸前エルフ もんじゃストリート 中央区立佃公園

佃大橋の真横にある小さな公園が中央区立佃公園だ。緑が生い茂る住民の憩いの場で、近所の子どもたちが遊べるカラフルな遊具が揃っている(筆者撮影)

■佃小橋

小金井 小糸が高耳神社に向かう際に通る小さな橋が「佃小橋」である。ここは運河になっていて常に複数の釣船が停泊しているので、下町風情が味わえる。

場所は中央区立佃公園から月島駅とは反対側の運河方面へ進んだ先にあり、月島駅からは徒歩4分ほどだ。

江戸前エルフ 佃小橋

佃小橋は釣り船などが係留できる運河になっている。背景にあるタワマンとのコントラストが、まさに現在の東京・下町を象徴している風景だ(筆者撮影)

■住吉神社

高耳神社のモデルとなったのではないかと言われているのが「住吉神社」だ。雰囲気や小金井 小糸の通り道とも合致している。

しかし、原作の樋口彰彦氏は「特定のモデルの神社はありません」とコメントしているので、雰囲気を楽しむ程度に留めておくといいだろう。場所は佃小橋から徒歩1分程度で、月島駅からでも5分程度で行ける。

(樋口彰彦氏のTwitterより)

江戸前エルフ 住吉神社

こちらが位置的に高耳神社のモデルとなっているであろう住吉神社。住宅街の片隅にひっそりと佇んでいるが、なんと1646年の江戸時代から続く非常に由緒ある神社だ(筆者撮影)

 

聖地巡礼第4回目『江戸前エルフ』の聖地・月島&佃はいかがだっただろうか?

月島や佃は江戸時代から明治にかけて作られた埋立地で、昔ながらの下町の風景と再開発によって誕生したタワマンが共存している、まさに現代の東京を象徴する風景が広がっている地域。

もんじゃの名店が並ぶもんじゃストリートは観光地としても有名なので、東京観光に来たついでに、周辺の『江戸前エルフ』聖地巡りをしてみるのもいいだろう。

(文=西澤浩一)
イメージ写真は筆者撮影
筆者プロフィール
西澤浩一
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。