乙女ロードだけじゃない!サンシャイン60の街から乙女の聖地へ!「池袋」の歴史
「東に西武で西東武」とCMソングにもあるとおり、池袋は東口に西武百貨店があり西口に東武百貨店があるちょっと不思議な街だ。1978年には当時アジア1位の高層ビルとして「サンシャイン60」が開業し、同人誌即売会が開催され、1980年代にはアニメショップがオープンするなど、古くからアニメやゲームと関わりが深い街でもある。そんな池袋が、どのようにして乙女の聖地になっていったのか振り返ってみよう。
Hareza 池袋の完成で激変! 世界一乙女グッズが揃う聖域
池袋東口にそびえるサンシャイン60の前には、約200mに渡ってアニメイトアネックス、K-BOOKS、らしんばんといった乙女向けショップが勢揃いしており、「乙女ロード」と呼ばれている。
そもそも、この地域には1980年代からアニメショップが存在しており、サンシャインシティでは同人誌即売会などが行われていた。
しかし、2000年にアニメイトが乙女向け商品に特化したことをきっかけに、乙女向けショップが集中することに……。
2005年頃には執事喫茶などもオープンして現在の「乙女ロード」が形成された。おそらく今では世界一乙女グッズが揃っている街であろう。
そして、東池袋では2019年7月に日本最大級のシネコン「キュープラザ池袋(現・グランドスケープ池袋)」が開業。翌2020年7月には豊島区旧庁舎と豊島公会堂、中池袋公園周辺の再開発工事が終わり、8つの劇場を含む新複合商業施設「Hareza池袋」がオープン。
さらに、2023年春オープンを目指してアニメイト本店ビルでは大規模リニューアル工事も行われており、オタク女子の街・池袋はこれからも進化する。
かつてアジア1位の高さを誇ったサンシャイン60は、今でも池袋で1番のランドマークだ。9F~58Fはオフィスフロアとして、株式会社NTTぷららや一般財団法人日本気象協会などが利用している(著者撮影)
アニメイトアネックスがまだアニメイト池袋本店だった時代、女性向けの商品展開を強化するとこの周辺に続々と乙女向けのショップがオープン。乙女ロードを形成するきっかけとなった(著者撮影)
アニメイト池袋本店は、2023年春に隣接する池袋保健所跡地を吸収する形で世界一の規模を誇るアニメショップに生まれ変わる予定。外観もHareza池袋と連続するイメージになる(画像はアニメイト提供)
中心地は中池袋公園にシフト!
これまで池袋といえば乙女ロードが中心であったが、2020 年7月にHareza 池袋が完成すると、徐々に人の流れは乙女ロード近くの東池袋公園から中池袋公園へとシフトしていく。
2023 年にアニメイト池袋本店が世界一のアニメグッズショップとしてリニューアルを予定しており、工事が完成すれば、その流れはさらに加速すると見られている。
砂の舗装だった部分を石畳へと舗装しなおした中池袋公園はHareza池袋の一部。アニメイトカフェも出店しているので、買い物を終えた乙女たちがよくこのベンチで休憩しながらカフェを楽しむ姿が見られる(著者撮影)
東急ハンズやマルイなどの旧ランドマークは消滅
池袋では、池袋東口の象徴でもあった「東急ハンズ」や、池袋駅西口にあった「マルイ」 など、古くから親しまれてきたランドマークが2021年に相次いで閉店した。
長年親しまれてきたランドマークが姿を消すのは寂しい限りだが、その代わり池袋には新しいランドマークが次々とオープンしている。開発ラッシュが続く池袋は、今もなお新たな街に生まれ変わりつつあるのだ。ちなみに、東急ハンズの跡地には2022年秋にニトリがオープンする予定となっている。
1984年の開業以来、待ち合わせ場所として、ニッチなパーツなどを入手するショップとして多くの利用客に愛された東急ハンズだが、2021年10月に惜しまれつつ37年の歴史に幕を下ろした(著者撮影)
(文=尾﨑貴也)
イメージ写真はHareza池袋提供