「ビアンカとフローラ、どっちと結婚する」にAIチャットはどう答えたか?今話題のAIチャットにソシャゲの適切な課金額などオタク的な話を聞いてみたーその結果は?

公開日:2023年3月5日 更新日:2023年3月4日

今話題のAIチャットは、質問に対してまるでAIが生身の人間のように回答してくれる。そこで今回は、AIチャットで有名な「ChatGPT(チャットジーピーティー)」と「Microsoft Bing(ビング)」を利用して、ソーシャルゲームの適切な課金額や同人サークル運営などについていろいろ聞いてみた。その意外な回答とは?

広告

同じAIチャットでも「ChatGPT」と「Microsoft Bing」で回答の内容にどんな違いがあるのか?

最近ネットやテレビで話題のAIチャット。これは、ビッグデータを学習したAIが、さまざまな質問に対し、まるで人間のように流暢な日本語で回答してくれるというもの。

無料で使えるAIチャットとして有名なものは、現在、OpenAIという非営利団体が開発した「ChatGPT(チャットジーピーティー)」と、Microsoftの検索エンジン「Bing(ビング)」の2つがある。

いづれも、OpenAIの技術を元にしたAIチャットだが、ChatGPTは2021年までのデータベースをもとにして回答をしてくれるのに対し、Bingは足りない情報も自分で検索して調べてくれるため、同じ質問をしても、回答の内容は大きく異なる場合もあるようだ。

●OpenAI「ChatGPT」→こちら

●Microsoft 「Bing」→こちら

そこで今回はこの2つの代表的なAIチャットにオタク的な質問を聞いて、その回答がどう違うのかについて紹介していこう。

ちなみにChatGPTでは、すでに「未来のコミケ」にというテーマで聞いてみたので、下記の記事を確認してほしい。

「ChatGPT」に“未来のコミケ”について予想してもらった!-その結果は?

ChatGPT 未来のコミケ 予想 バーチャル

こちらが今話題のAIチャットサービスの「ChatGPT」。日本語にも対応するので、会員登録をすれば誰でもすぐに無料で利用できるようになっている(画像はChatGPT公式サイトより転載)

Bing AI

こちらがAIチャットにも対応する検索エンジンの「Bing」。Microsoft Edgeに組み込まれているほか、スマホアプリも提供されている。Micosoftアカウントでサインインすると無料で利用できるが、使用申請を行ってから1~3日後でないと利用できない。ただし、最新情報も独自に検索してくれるので、より正確な回答が得られるのが特徴だ(画像はMicrosoft Bing 公式サイトより転載)

【質問1 】スマホゲームでの課金額は給料の何%が適切だと思いますか?

最近のソーシャルゲームは基本プレイ無料+課金制が多く、課金へのハードルはかなり下がっている。しかし、廃課金と微課金の境目は各ゲームによって異なり、適切な課金額がいくらかについては、よくネットでは議論されている。そこで、今回は「スマホゲームの課金額は、給与の何%が適切なのか?」AIチャットに聞いてみることにした。

Bing AIとChatGPTに聞いてみた

Androidスマホなら課金額をあらかじめ指定して警告を出すように設定することも可能だ。しかし、簡単に突破できるのであまり意味がない場合も……(筆者撮影)

【ChatGPTの回答】

課金額は個人の経済状況や思考によって違うので一般的には答えられないと前置きしつつ、4つのアドバイスをくれた。
【1】高額課金をすると生活が苦しくなるのでバランスを取りながら課金しよう。
→できないから聞いているのに……。
【2】ゲームは趣味や娯楽なので、何%が適切というよりも余剰資金だけの利用にしよう。
→まるでお母さんのように説教される。
【3】個人の責任で課金は行われるべきだが、必要なら専門家へ相談しよう。
→意外と真面目なアドバイス。依存症への言及はさすがである。
【4】自己管理ができないなら、そもそも課金しない。
→ごもっとも過ぎて耳が痛い。

【Bingの回答】

スマホゲームでの課金は、自分の給料や生活費などによって異なると前置きしつつ、「一般的には月間の平均課金額は1,000円~3,000円程度が多いようです」と具体的な金額をアドバイス。無理のない範囲と言われると、アドバイスどおりの1,000円~3,000円かなとも思う。おそらく学生を基準とした金額だろう。

【質問2】 同人サークルの活動でいちばん大切なことは?

続いて、AIチャットに「コミケットなどでサークル活動を行ううえで、いちばん大事なことは何か?」を聞いてみた。

ChatGTP Bing AI サークル

同人即売会などで、さまざまな人と交流を行うサークル活動。もっとも大切なことはいったい何なのだろうか?(筆者撮影)

【ChatGPTの場合】

今回もCahtGPTは4つのアドバイスをくれた。

【1】コミュニケーション能力……同人サークルは人が集まって作品を作り上げる場なので、メンバー間のコミュニケーションが重要とのこと。
→確かにそうだが、個人サークルならあまり重要ではないし、むしろイベント参加時のコミュニケーション能力の方が重要かも……。
【2】責任感の持ち方……サークル参加は自己責任で活動をするもので、自分の担当について最後までやりきらなければならないそうだ。
→サークル活動は他人に迷惑さえかけなければ、いつ始めても止めても自由。“本を出さなければならない”なんて言われたくもないので、納得感はちょっと薄め。
【3】クオリティの追求……ファン同士が集まるものなので作品のクオリティを高めることが大切とのこと。
→これには個人によって異なると思うが、筆者はあまり賛同できない。同人活動においてクオリティを追求したければすればいいし、ほかの部分で頑張る方法もあるだろう。
【4】販売や展示に関する知識……同人誌は作るだけでなく販売や展示方法についても知識をつけることで、効果的に売ることができるそうだ。
→これも同人誌は作ることが目的であって、売ることが目的ではない人が多いと思う。もちろん、たくさん売れれば結果的に多くの人の目に触れるのはうれしいことだが、効果的に売る方法を考えることが必要かと言われると、ちょっと……。

【Bingの場合】

同人誌のサークル活動でいちばん大切なことは、自分の好きなものを楽しく創作することだと提案してくれた。また、サークルメンバーやほかのサークルとのコミュニケーションや協力についても言及。やはり現地でのコミュニケーションは大事ということだ。さらに、同人イベントに参加する場合は、事前に準備や申し込みをしっかり行い、当日はマナーやルールを守ることまで注記。これには思わず納得!

■質問その3 ビアンカとフローラ、結婚するならどっち?

いまだに論争となる、ご存知『ドラゴンクエストV』の主人公の結婚相手。リメイク版ではデボラが追加され議論に拍車がかかったが、今回は原点の2人についてのみ質問をしてみた。

【ChatGPTの場合】

私は人工知能であり、好みや性的指向などの個人的な意見や好みを持たないとしつつ、ビアンカとフローラのどちらが良いかは、あなた自身が自分にとって大切なことや理想的な相手像に合わせて判断することが重要。
→「ドラクエ」について聞かれているとは思っていない様子。ChatGPTは『ドラクエV』を未プレイのようだ。

【Bingの場合】

ビアンカとフローラは、『ドラゴンクエストV』の登場人物で、主人公が結婚することができる2人の女性と、ゲーム知っているアピール。どちらを選ぶかは、あなたの好みや感情によるが、私はどちらも素敵だと思うと、とても玉虫色な回答をくれた。余計な火種をうまく回避している姿は、まさに人間のようだ。

■質問その4 きのこの山とたけのこの里どっちが人気?

人に聞くと余計な軋轢を生みかねない「きのこの山とたけのこの里」という禁断の質問。AIチャットなら気軽に答えてくれるだろうと思い、聞いてみた。果たしてどちらに軍配が!?

ChatGTP Bing AI きのこたけのこ問題

この2つのお菓子が揃ってしまうと何かと論争が起こってしまう、いわゆる「きのこたけのこ問題」。AIチャットは果たしてどのように答えるのか?(筆者撮影)

【ChatGPTの場合】

「きのこの山」と「たけのこの里」は、日本で非常に人気のあるお菓子としながらも、どちらが人気があるかについては正確なデータが存在しないため断言することはできないとのこと。一般的にはどちらも非常に人気があり多くの人に愛されていると、決断は保留したようだ。

【Bingの場合】

「きのこの山」と「たけのこの里」はどちらも明治のチョコレート菓子で、長年ファンの間で人気を“競っている”と、よく事情を知っているようだ。調査によると、総合的には「たけのこの里」が「きのこの山」に対し約1.8倍の差をつける結果になったと、余計な火種を振りまいている……。ただし、味や食感などは個人の好みによって異なると、最後はうまく責任回避している様子もかなり人間っぽいと感じた。

 

いかがだろうか? 総合してみるとChatGPTは情報元が2021年までと古く、更新されていない部分は濁して答える回答が多い。その部分はとても人間らしい感じだ。Bingは最新の情報で回答してくれるが、きのこたけのこ問題では言いにくいことをズバッと言い切る姿も見せてくれた。

みなさんも、往年の質問から軋轢を生みそうで聞きにくいことを、ぜひAIチャットに聞いてみよう! 意外な回答が癖になってしまうかもしれないぞ。

(文=西澤浩一)
イメージ写真は筆者撮影
筆者プロフィール
西澤浩一
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。