リアル会場は前回より2万人増で11万8,797人が熱狂!4年ぶりの大歓声に包まれた「ニコニコ超会議2023」話題のブースをレポート!

公開日:2023年5月2日 更新日:2023年5月2日

今年で第12回目となる「ニコニコ超会議2023」が2023年4月22日~30日まで開催されたが、そのフィナーレを飾るリアル会場「幕張メッセ」には、2023年4月29日、30日の2日間でのべ11万人以上が訪れた。ようやくコロナ禍も落ち着き、リアル会場では4年ぶりにマスク着用での発声応援が許可され、ライブステージは大いに盛り上がったのだ。そこで今回は、ニコニコ超会議2023で筆者が注目したブースをレポートしよう。

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ステージの大歓声や白熱したスプラトゥーン甲子園、自衛隊の実機展示など、ゴチャまぜ感がニコニコ超会議の醍醐味!

2006年12月から始まった人気動画配信サービス「ニコニコ動画(現:ニコニコ)」。ニコニコ動画では、「初音ミク」などのボーカロイド楽曲、歌ってみた、ゲーム実況、TAS動画、工作系の作ってみた、ゆっくり実況など、まさに何でもアリ!

このゴチャまぜ感がまさにニコニコ動画の醍醐味であり、それをリアル世界に再現したのがニコニコのお祭「ニコニコ超会議」である。

ニコニコ超会議は2012年4月に第1回が開催されて以来、毎年開催されているいるイベントだが、新型コロナウイルスの影響を受けて2021年はオンラインでの開催となったものの、2022年からはオンラインとリアルの両方で開催されている。

そようななか、「ニコニコ超会議2023」が2023年4月22日~30日まで開催された。今回は4月22日からネット会場で開幕し、4月29日からは幕張メッセにてリアル会場が開催。最後は4月30日までネットとリアルの両方で開催された。

とくに、リアル会場では4年ぶりとなるマスク着用での声出しが解禁され、すべてのステージが歓声に包まれて大いに盛り上がることになった。

リアル会場の来場者は、昨年開催された「ニコニコ超会議2022」よりも約2万人も増加して11万8,797人が参加し、いよいよコロナ禍の収束を感じさせたのである。

●ニコニコ超会議2023公式サイトは→こちら

●ニコニコ超会議2023ネット会場(ニコニコ総合TOP)は→こちら

ニコニコ超会議2023

ニコニコ超会議2023のキャッチコピーは「夢中は、無敵。」リアル会場となった幕張メッセはたくさんの参加者で賑わっていた(画像はニコニコ超会議2023より転載)

ニコニコ超会議2023概要
【日時】2023年4月22日(土)から30 日(日)
ネット開催:2023年4月22日(土)から30 日(日)
リアル開催:2023年4月29日(土)10時~18 時/4月30日(日)10時~17 時
【主催】ニコニコ超会議実行委員会
【会場】リアル開催:幕張メッセ/ネット開催:ニコニコ公式サイト・総合TOP
【リアル会場チケット】優先入場券(数量限定)2日通し券:9,000円(税込)/1日券:5,000円(税込)
一般入場券(前売り)2日通し券:6,500円(税込)/1日券:3,500円(税込)
■協賛・出展一覧

【超歌舞伎協賛】NTT
【特別協賛】KADOKAWA/#コンパス
【協賛】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
【スプラトゥーン甲子園 2023 関東地区大会協賛】任天堂株式会社
【VTuber Fes Japan 2023 協賛】株式会社 Paidy
【The VOCALOID Collection ~2023 Spring~/超ボカニコ 2023 協賛】東武トップツアーズ株式会社
【超声優祭 2023 協賛】ディズニープラス
【カテゴリー協賛】株式会社マンナンライフ/セゾンカード/三井化学株式会社/CONVUM/サッポロビール 濃いめのレモンサワー/一般社団法人日本ネットクリエイター協会
【特別出展】角川ドワンゴ学園  N高等学校 S高等学校 N中等部/株式会社三洋物産/幻塔/バンタン/松竹株式会社/NIKKE/KAMITSUBAKI STUDIO/太陽誘電株式会社

 

それでは、大いに盛り上がったニコニコ超会議2023の様子をお伝えしよう。とはいえ、ブースの数はかなり多く、さすがに全ブースの模様をお伝えすることはできないので、今回は筆者が実際に訪れたブースを中心にレポートしていきたいと思う。学園祭のような手作りのゴチャまぜ感が少しでも伝われば幸いだ。

■マニアフェスタ Vol.7

「マニアフェスタ」とは、さまざまなジャンルのマニアや研究者、専門店が出展する展示即売会。街なかで見たことがあるチェーン店のマニアや、よくわからない謎フードマニア、空想地図マニア、手ぬぐいマニアなど、50サークルほどが出展していた。

コミケPlus編集部としては、これは真っ先に取材しなければ行けないブースだ、というわけで、そのなかから2つのサークルを紹介しよう。

●マニアフェスタVol.7公式サイトは→こちら

【歴史料理マニア】遠藤雅司氏(音食紀行)

 ●遠藤雅司の主宰する「音食紀行」のTwitterは→こちら

古代から20世紀までの壁画、粘土版、料理書などの文献からレシピを解読し、現代に料理を再現するマニア。著書が連続ドラマ化され『À Table!~歴史のレシピを作ってたべる~』というタイトルで放送された。

●『À Table!~歴史のレシピを作ってたべる~』公式サイトは→こちら

–「音食紀行」はどのようなサークルですか?
世界各国の歴史料理を、現代日本でおいしく再現するサークルです。古代から20世紀まで文献を解読して歴史料理を紹介しています。

–新刊はどのような内容ですか?
今回の新刊は「タベルムジーク」という本で、作曲家たちの食について注目してみました。バッハの「レモンの皮の砂糖漬け」やモーツァルトの「18世紀ナポリ風鶏肉のロースト」などを紹介しています。

–C102へ出展する予定は?
出展予定です。ぜひ気になった方はぜひお越しください。

–ありがとうございました。

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昔の食文化やレシピを解読・紹介している遠藤雅司氏(音食紀行)。コミケットにも参加予定とのことで、気になった人はぜひ訪れてみよう(筆者撮影)

【ドジっ子看板マニア】赤沼俊幸氏

●赤沼俊幸氏のTwitterはこちら

サークルスペースに飛び出し坊やが設置されており、目についたサークル。さまざまな危ない目にあっているドジっ子看板を収集しているとのこと。

–「ドジっ子看板マニア」はどのようなサークルですか?
「車道に飛び出す」「溺れる」「滑る」など、ドジな子どもが描かれている看板を集めています。このような看板は日本全国にありまして、代表的なものは飛び出し坊やですね。注意喚起なのですが地域差があってとても面白いです。

–地域差とは具体的にどのようなものですか?
愛知県は車の事故が多いので、車が凶悪に描かれていたりします。また北海道などの雪国では看板が雪に埋まらないように設置されていたり、冬だけ「つららに注意」などの雪国ならではの看板が出たりしますね。

–なるほど。コミケに参加されたことはありますか?
まだ参加したことないですね。

–そうですか。面白い内容なのできっとコミケでも受けそうです。
ありがとうございます。励みになります。

–ありがとうございました。

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さまざまな事故にあっているドジっ子看板。地域性や環境などによって、さまざまな表情を見せるのがドジっ子看板の最大の魅力だ(筆者撮影)

ニコニコ超会議 マニアフェスタ

あなたの近所にもこんな看板が見つかるはずと、主催者の赤沼俊幸氏も嬉しそうに語っていた(画像は赤沼俊幸氏より提供

■超サウナ

ニコニコ超会議2023で初企画となった「超サウナ」は、幕張メッセのホール11に隣接する屋外に設置されたブースで、特殊なテントやバスでサウナを楽しめるというもの。また、テルマー湯、湯らっくす、庭の湯などの人気サウナ施設とコラボし、数量限定で館内着などの貸し出しがあった。

さらに、ラスボスこと小林幸子さんプロデュースのテントサウナ「小林幸子健康ランド!」がブースに設置され、4月30日には小林幸子さん本人が降臨! 新曲「アツアツにしてあげる♪ 」に合わせてロウリュ体験も行われ、会場はサウナ以上の熱気に包まれていた。

●超サウナ公式サイトは→こちら

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小林幸子さんがプロデュースするサウナが爆誕。天気が良かった4月29日には、多くの人が晴天のもとサウナを楽しんでいた(筆者撮影)

超サウナ

ロウリュや新曲「アツアツにしてあげる♪ 」を披露した小林幸子さん(写真左)。安田大サーカスのクロちゃんも応援に参戦していたぞ(画像はドワンゴより提供)

■スプラトゥーン甲子園2023 関東地区大会

ホール8では、ニンテンドースイッチで遊べる人気対戦型TPSゲーム『スプラトゥーン3』の初の全国大会、「スプラトゥーン甲子園2023 関東地区大会」が行われた。

「スプラトゥーン甲子園 2023」は一般チーム部門と小学生チーム部門の2部門で開催されるゲームの全国大会。この関東地区大会を含め7回の地方大会が行われ、2023年12月16日と17日に行われる決勝大会で頂点を目指す大会なのだ。関東地区大会は1回目の地方大会ということもあり、多くの人が参加していた。

ゲーム大会以外には、2023年5月12日に発売予定の『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』のフォトスポットが設置され、多くの参加者が撮影のために長蛇の列を形成していた。

●スプラトゥーン甲子園2023公式サイトは→こちら

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スプラトゥーン甲子園では、ゲーム大会以外にも展示ももりだくさん。実物大のスプラトゥーンの武器や、等身大のゼルダの伝説の主人公“リンク”像など、写真撮影のために長蛇の列ができていた(筆者撮影)

■超歌舞伎 Powered by NTT

ニコニコ超会議で2016年から恒例となっている超歌舞伎は、もちろん今回も開催された。

超歌舞伎とは、歌舞伎という演目の構想を新たにさまざまな最新技術を駆使して圧倒的にスケールアップした歌舞伎のこと。毎回、3Dの映像演出や初音ミクとの共演が話題となっている。

今回は4年ぶりにマスク着用による発声が解禁となったため、歌舞伎特有の掛け声「大向う(おおむこう)」が飛び交う賑やかな舞台となった。

演目は『御伽草紙戀姿絵(おとぎぞうしこいのすがたえ)』。女郎蜘蛛の呪いを受けた初音ミク演じる太夫と、その太夫と恋仲の中村獅童演じる源朝臣頼光の切ない恋物語が見事に演じられていた。

ニコニコのプレミア会員なら2023年5月30日までタイムシフトで公演を見ることができるので、気になる人は今すぐにチェックしよう。

●超歌舞伎公式サイトは→こちら

超歌舞伎

見栄を切って登場するたびに、大向うで盛り上げるのが超歌舞伎の醍醐味! クライマックスの立ち廻りと感動のストーリーに引き込まれていく(画像はドワンゴより提供)

■超将棋

古くは2011年に行われた世界コンピュータ将棋選手権の配信や、人間とコンピュータの将棋対局「電王戦」をドワンゴが開催するなど、将棋とニコニコの関わりは深い。もちろんニコニコ超会議2023でも超将棋ブースが出展されている。

超将棋の目玉企画は、佐藤天彦九段と糸谷哲郎八段の対局が行われたのだが、なんと互いに持ち時間2分の超早指し将棋で、このリアル会場の2日間で100局の対局を行うとのこと。

持ち時間2分ということで、序盤は1手1秒未満で進み、終盤は時間切れギリギリになってしまうため駒が指に付かず、駒自体が飛んでいってしまうことも! この白熱の対局は、公式サイトから是非とも御覧いただきたい。

2日間で100対局を達成し、結果として糸谷哲郎八段が55勝で勝ち越しとなった。

●超将棋公式サイトは→こちら

超将棋

超将棋ブースでは天童市とコラボした3月のライオンの看板でアピールしていた(筆者撮影)

超将棋

2日間で100局という熱い熱戦を繰り広げてくれた糸谷哲郎八段(写真左)と佐藤天彦九段(写真右)には、会場から惜しみない拍手が送られていた(画像はドワンゴより提供)

■自衛隊ブース

ニコニコ超会議が初開催から出展し続けている自衛隊ブース。実機の展示や、普段は聞けない「陸・海・空」3自衛隊による隊員トークなどが話題を呼んでいる。

ニコニコ超会議2023では「スキャンイーグル2および発射装置&回収装置」や哨戒機「P-3C」をモチーフにしたミニバイクなどが展示されていた。

現役の自衛官がブースを案内しているので、マニアックな会話に花を咲かせている参加者も多く、和やかなムードだった。

●自衛隊ブース公式サイトは→こちら

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自衛隊では実機からレプリカ、ミニバイクなどさまざまな展示を実施。さらに隊員たちからの裏話が聞けるトークショウなど盛りだくさんだった(筆者撮影)

■超大相撲

2014年に大相撲幕張巡業が開かれて以来、ニコニコ超会議では大相撲も人気コンテンツのひとつとなっている。

ニコニコ超会議2023では「みんなでつくる!超ちゃんこ鍋」と題して、生放送中にリスナーからの指示で具材を追加し、巨大な鍋でちゃんこ鍋を作っていた。ちゃんこ鍋は販売され、これだけで1食分はまかなえるほどの具の量に満足感も高かったようだ。

生放送には二所ノ関親方や宮城野親方、鶴竜親方などが参加し、各部屋のちゃんこの違いや特長などを解説。力士の日常生活や、裏話なども披露しコメントも大盛り上がりだった。

●超大相撲公式サイトは→こちら

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ちゃんこ販売と現役力士の等身大ポップの展示があった超大相撲ブース。等身大ポップの横に並ぶと、力士の大きさが実感できる(筆者撮影)

■超ZUNビール

ご存知の人も多いと思うが、東方Projectの生みの親ZUN氏は無類のビール好きだ。そこでニコニコ超会議では、初回からZUN氏とひろゆき氏が飲みたいビールを作る企画「超ZUNビール」が行われている。

ニコニコ超会議2023では、国産ブルワリー「ベアードブルーイング」にビールの制作を依頼。ZUN氏は“祭りの日に無限に飲める華やかなラガー”、ひろゆき氏は“苺のビール”をリクエストしてビールが販売されていた。当日はビールを求める人で長蛇の列が形成されており、おつまみが完売してしまうほどの盛況ぶりとなった。

また、4月29日にはZUN氏がブースに降臨し、多くのファンと談笑しながらビールを楽しんでいた。ファンとZUN氏の距離の近さが、東方Projectが愛され一大コンテンツまで成長した要因のひとつなのだろう。

●超ZUNビール公式サイトは→こちら

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4月29日のブースには東方Projectの生みの親ZUN氏が来訪。たくさんのファンとの会話を楽しみ、そのたびにビールで乾杯を行っていた(筆者撮影)

いかがだろうか? 今回はニコニコ超会議2023で行われていた数々の企画のほんの一握りだけを紹介するにとどまったが、それぞれ個性の強いブースばかりなのがお分かりいただけただろう。

実際にリアル会場に行ってみるといろいろなブースの音が混ざり合い、そのカオス具合に拍車がかかるのだ。ぜひ、来年こそはここでしか体験できないニコニコ超会議に参加してみほしい。

(文=西澤浩一)
イメージ写真は筆者撮影
筆者プロフィール
西澤浩一
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。