まんだらけが30店舗以上!レトロビルやディープなショップが立ち並ぶ「中野」の歴史

公開日:2022年6月8日 更新日:2022年7月16日

中野といえば昭和レトロ感満載の「中野ブロードウェイ」が有名だが、1980年代はかなりさびれた商店街であった。そんな中野ブロードウェイが、どうして今では日本を代表するオタクの聖地に生まれ変わったのだろうか? ここではその歴史を紹介しよう。

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まるで昭和のテーマパーク! ? 迷宮感溢れるレトロ商店街

昭和感溢れるレトロな「中野ブロードウェイ」。意外にも1966年にオープンした当時は、4Fまでが商業施設で5F以上が分譲マンションという、当時としては斬新でオシャレな高級物件だった。

ところが、1970年代後半になると商店街は徐々に衰退しはじめる。転機となったのは、1980年代前半に漫画古書販売専門の「まんだらけ」が出店したこと。その後、同様のサブカルショップがテナントに入りはじめ、1987年には現在の「まんだらけ」が設立された。

年々店舗を増やしていった結果、今では実に30店舗以上を数える。こうして中野ブロードウェイは、日本屈指のオタクビルに変貌したのである。

JR総武線各駅停車か中央線で中野駅北口を出ると、すぐ前に中野サンモールがある。ここにもマニアックなショップがあるが、突き当りまで行くとそのまま中野ブロードウェイにつながっている。注意したいのはエスカレーターだ。1Fから乗ると一気に3Fまで上がるので、まるで迷宮に迷い込んだよう……。

ところどころテナントが入っておらず薄暗い場所もあるが、ここまで来ると、もはや“昭和のテーマパーク”のような風格さえ漂っている。

中野ブロードウェイ

中野サンモール商店街の一番奥に位置している中野ブロードウェイ。計画では、中野駅から早稲田通りまでをひとつの太い道路で繋ぐ計画であったことから「ブロードウェイ」と名付けられた(著者撮影)

中野サンモール

全長224メートルの間に約110もの店が並んでいる中野サンモール商店街。1958年に開業し、数回の改装を経て1998年に現在のアーケードが完成した。天井がガラス張りで日光が差し込むように設計されていて、実に気持ちがいい(著者撮影)

ワールド会館 中野ブロードウェイ 雑居ビル

1971年に中野ブロードウェイ横に建設された雑居ビル。以前このビルに営業していた「アニソンDJ-club雷神」が、秋葉原に移転する際に募集したクラウドファウンディングサイト内に「ビルの所有者変更に伴い再開発及び解体が決定」との記載がある(著者撮影)

周辺の路地裏にはグルメの名店が潜んでいる!

中野ブロードウェイ内は飲食店が少ないが、商店街を飛び出して裏路地に一歩踏み込めば、そこは居酒屋やカフェがひしめき合う食のワンダーランドである。

中野サンモール商店街の裏手にある入り組んだ路地には、定食屋、居酒屋、ラーメン屋にイタリアンレストランなどの飲食店が立ち並んでいる。レトロな家屋は、まるで昭和に戻ってしまったような感覚を味わわせてくれる。

お腹が空いたら、是非、中野ブロードウェイ周辺の裏路地の名店を探してみよう。

中野ブロードウェイ 路地 居酒屋 名店

商店街の両脇に広がる曲がりくねった小路のなかには、食の名店が潜んでいる。昭和の空気を味わいながらの食事はまた格別だ(著者撮影)

北口と南口を結ぶ橋上駅舎は2026 年に完成予定!

現在、中野駅では大規模な再開発工事が行われている。

中野ブロードウェイや中野サンモールに直接の影響はないが、2026 年には中野駅の南北をつなぐように、新しい「橋上駅舎」が完成する予定。この施設が完成すれば商業施設などもたくさん入るので、今は昭和臭の漂う中野駅周辺も一気におしゃれな街に変貌するかもしれない。

中野駅 橋上駅舎 工事中

完成した橋上駅舎は商業施設としても利用されることになっている。いったいどんなショップが入るのか、今から楽しみだ(著者撮影)

(文=尾﨑貴也)
イメージ写真は筆者撮影