新橋発の「ゆりかもめ」のライバルになれる!?新橋 ー 国際展示場間を結ぶ「東京BRT」が開通! コミケットで使えるか実際に乗ってみた!
2023年4月1日から、都心と湾岸を結ぶ新たな交通機関「東京BRT(Bus Rapid Transit)」の「幹線ルート」がスタートした。これは新橋-国際展示場(東京ビッグサイト)を結ぶ路線なので「次回のコミケットでも利用できるのではないか?」と話題となっていた。そこで今回は、実際に筆者が東京BRTに乗ってみたので、所要時間や金額はどうなっているのか? 同じルートを結ぶ「ゆりかもめ」とどちらがいいのか、詳細にレポートしよう。
東京BRTって何? 東京ビッグサイトへの新たなルートとして使える!?
「東京BRT(Bus Rapid Transit)」はバスを最大2台連結した新交通システムで、「新橋」を起点として、都心(虎ノ門ヒルズ)と臨海地区(勝どき、豊洲)を結んでいる。
2020年10月からすでに「プレ運行(一次)」が開始されており、虎ノ門ヒルズ-新橋-晴海BRTターミナルルートの運行が開始された。
そして、2023年4月1日からは「プレ運行(二次)」がスタート。新橋-国際展示場(土休日のみ東京テレポートまで)を結ぶ「幹線ルート」と、新橋-豊洲を結ぶ「晴海・豊洲ルート」が開業したのだ。
●東京BRT公式サイトは→こちら
なかでも、新橋と国際展示場を結ぶ「幹線ルート」は、コミケット開催時に「新たな東京ビッグサイトへのルートになるのではないか?」と注目されているのである。
なお、東京BRTについては、すでにオタスポガイドでも取り上げているので、気になる人はまずこちらの記事をチェックしてほしい。
新橋から国際展示場まで所要時間はわずか15分! だが気になる点も……
それでは、実際に筆者が東京BRTの幹線ルートで新橋から国際展示場まで乗ってみたレポートをお届けししよう。
まず、東京BRTの料金はどこから乗っても一律220円(税込)。ゆりかもめを利用した場合、新橋駅-東京ビッグサイト駅間の料金は390円(税込)もするので、東京BRTのほうが170円(往復340円)も安いのだ。
次に、東京BRTの「新橋駅」の乗り場は少々分かりづらい場所にある。ゆりかもめのホームの真下に停留所があるのだが、新橋駅からだとその停留所が見えづらいのだ。
そのため、JR新橋駅から乗り換えるときは新橋駅南改札を出てゆりかもめ乗り場を目指すことになる。まず、ゆりかもめの駅に向かう階段(エスカレーター)を左側に見つつ、右の横断歩道でゆりかもめの下をくぐり対岸に渡る。次に、そのままゆりかもめのホーム沿いの道路を直進すると、徒歩1分程度でバス停が見えてくる。
ちなみに、東京BRTは有明方面へ向かうため、停留所は新橋駅から見て左側(駅から遠ざかる側)にあると思うかもしれない。しかし、実際は逆の右側(新橋駅に向かう側)ある点は注意したい。
というわけで、今回は新橋を朝8時29分に出発する東京BRTに乗ることにした。
乗車したのは4月2日(日曜)ということもあり、乗車人数はたった4人しかいない。もちろん、大きなイベントがあれば行列ができているかもしれないが……。
バスはまず新橋駅方面に向かい大きく左折する。さらに環状2号線との交差点を左折し、通称「環二通り地下トンネル」へ。停留所が道路の右側にあった理由は、この地下トンネルへ入るためだったのである。
地下トンネルは1車線でそのまま築地大橋を渡り、勝どきBRT停留所へ到着する。休日の朝8時台ということもあり時刻表よりも早い到着となった。
勝どき停留所を出発したバスはそのまま環二通りを進み、「豊洲新市場」「有明テニスの森」を経由し「国際展示場」には8時44分に到着した。
新橋駅は8時29分に出発したので、所要時間はたった15分しかかかっていない。ほぼ同じルートのゆりかもめならレインボーブリッジをグルッと回って22分もかかるので、7分ほど早く到着した計算になる。このスピードならぜひ使ってみたいと思う人も多いだろう。
しかも、到着した場所はりんかい線「国際展示場駅」の前にあるロータリーで、すぐ目の前は「花公園」という好位置である。これならコミケットのときにかなり使いやすいだろう。もちろん、料金もゆりかもめよりもかなり安いので、交通費を節約したい人ならおすすめルートになる。
いかがだろうか? 今回は大きなイベントがない日曜日の早朝に乗車したので、東京BRTは非常に快適だった。しかし、これが「コミケット当日に本当に使えるのか?」と言われると少々気になる点もあるので、注意点も紹介しておこう。
【1】環二通り地下トンネルは1車線しかない
環二通り地下トンネルは1車線しかないため、ここで事故や渋滞が発生した場合、所要時間が大幅に伸びる可能性がある。
【2】国際展示場での降車時の混雑
コミケット開催当日は東京BRTの新橋停留所はかなり混雑すると予想される。ゆりかもめより所要時間が7分速いと言っても、東京BRTは20分に1本しか運行されないので、満員で乗り切れないと次は20分後になる。
【3】輸送量が少ない
そもそも、東京BRTはバス1両で1度に50人程度、2両連結でも最大100人程度しか輸送できないが、ゆりかもめなら6両編成で1度に350人以上輸送することができる。しかも、ゆりかもめはコミケット当日臨時便が出るので本数も多く、輸送量は圧倒的にゆりかもめに軍配が上がるのだ。
このように、総合的にみれば東京BRTをコミケットの新たな交通手段と見るのは難しいのかもしれない。もし、新橋の停留所で明らかに乗り切れないほどの行列ができていたら、そのままゆりかもめに乗り換えたほうがいい。
とはいえ、今後、東京BRTがコミケットの開催期間中に臨時便を出す可能性も否定できないので、輸送量や待ち時間などは流動的だ。もし、時間に余裕がある人や午後からゆっくり参加する人などは東京BRTにチャレンジしてみるのもアリだろう。
※東京BRTはC102・コミケット期間中に臨時便を運航することを発表しました。
イメージ写真は筆者撮影
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。