コミケに行くなら「ゆりかもめ」とどっちがいい!?【東京BRT】23年4月から新橋-国際展示場間の新ルートがプレ運行開始!- コミケ参加者も利用できる!?

公開日:2023年3月17日 更新日:2023年3月16日
広告

「東京BRT」VS「ゆりかもめ」 新橋-国際展示場間でベストな交通ルートはどっち!?

それでは、どちらも同じ「新橋-東京ビッグサイト」間を結ぶ東京BRTとゆりかもめを「所要時間」「料金」「輸送量」「交通事情」の4つの観点から比較してみよう。

【その1】 所要時間

まず、東京BRTの「幹線ルート」は新橋から勝どきBRTを通り、豊洲新市場前、有明テニスの森を経由して国際展示場までを一直線で結んでいる。そのため、新橋-国際展示場間の所要時間は最速でたった16分しかかからない。

これに対し、ゆりかもめを利用した場合は、レイボーブリッジを経由してかなり大回りするため、東京ビッグサイトまでは約22分もかかってしまうのである。

したがって、所要時間に関しては事故や大渋滞がなければ東京BRTの勝ちとなる。

ちなみに、東京BRTの乗降場所は、りんかい線「国際展示場前」前にあるロータリーに設置される。コミケットの一般参加者にとっては東西どちらの待機列にも並びやすそうだ。しかし、サークル参加者ならゆりかもめの「東京ビッグサイト」駅のほうがやや有利かもしれない。

東京BRT 停留所

東京BRTの乗降場所は、りんかい線「国際展示場」駅前のロータリーになる。一般参加者は東西どちらの待機列にも行きやすい(画像は東京BRTニュースリリースより転載)

【その2】 料金

次に料金を比較してみよう。東京BRTは都バスなどと同じように一律料金で、料金は片道220円(税込)。これに対し、ゆりかもめの新橋-東京ビッグサイト間は片道390円(IC利用388円・税込)もする。差額は170円と結構大きいので、もし、交通費を節約したいなら東京BRTのほうがオススメとなる。

というわけで、料金に関しても東京BRTの勝ちだ。

【その3】 輸送量

続いて輸送量を比較してみよう。まず、東京BRTの幹線ルートは平日35本、土休日33本の運行数で20分に1本程度の頻度で運行される。これに対しゆりかもめは、5分に1本が運行されているうえに、コミケット期間中は臨時ダイヤで列車を増発しているのだ。

東京BRTはあくまでも湾岸エリアの住民のための交通機関なので、現状ではコミケットに合わせた臨時便が編成されるかどうかは不透明である。

しかも、東京BRTはバス1両で1度に50人程度、2両連結でも最大100人程度しか輸送できないが、ゆりかもめなら6両編成で1度に350人以上輸送することができる。

というわけで、輸送量ではゆりかもめの圧勝となった。速くて安い東京BRTだが、満員で乗れないのであれば、次は20分後になるので、コミケットではちょっと利用しにくいかもしれない。

バスとしては20分間隔は早いほうだが、ゆりかもめと比べてしまうとどうしても遅く感じる……(画像は東京BRT公式サイトより転載)

ゆりかもめ 新橋時刻表

こちらがゆりかもめ新橋駅の時刻表。見事に5分間隔だ。しかも、コミケット期間中は臨時ダイヤでさらに輸送量が増える(画像はゆりかもめ公式サイトより転載)

 

東京BRT ゆりかもめ コミケのゆりかもめ

こちらはコミケ参加者にはお馴染みのゆりかもめ。6両編成で定員は352名と1度に大量のコミケ参加者を輸送できるのが強み(筆者撮影)

 

【その4】 交通事情

最後に両輸送システムの交通事情について比較してみよう。そもそもBRTは路上に専用レーンを設けて運用する場合もあるが、東京BRTには専用レーンがなく一般道を走行することになる。そのため、あまりスピードは出せず渋滞による遅延も懸念されている。

もちろん、ゆりかもめは専用レーンを走行するので最高速度時速60キロ、平均速度30キロと、安定したスピードで運行されている。事故や強風でゆりかもめも遅延することもあるが、東京BRTよりも定時運行できる確率は高いはずだ。

とはいえ、コミケットはお盆と年末に実施されるので、参加者が利用する早朝の時間帯なら、都心の渋滞は心配しなくてもいい。しかし、コミケットからの帰りに利用するとなると、湾岸を訪れる観光客も多いし、多少は渋滞による遅延も覚悟しておいたほうがいいかもしれない。

安定した運行という面では、やはりゆりかもめのほうが有利だと言えるだろう。

まとめ

いかがだろうか? 今回は東京BRTとゆりかもめを4つのポイントで比較してみたが、スピードや料金の安さでは東京BRTに軍配が上がるものの、輸送量の高さや安定性を考慮すると、やはりゆりかもめのほうが有利になる。

普段から、コミケットに参加するとき新橋駅を経由している人なら、新しい交通手段である「東京BRT」に乗ってみたい思うだろうが、もし、目の前で出発してしまったら、次の発車は20分後になるので、すぐにゆりかもめにチェンジしたほうがいい。

そもそも東京BRTとゆりかもめの乗車時間の差は6分なので、「東京BRTを6分以上待つなら、ゆりかもめのほうが早く到着する」のである。新橋駅経由でコミケットに参加する人は、ぜひこのルールを覚えておこう。

もちろん、「交通費を少しでも安く上げたい!」ということなら、多少時間がかかっても東京BRTを選択するのもアリだ。

どちらにせよ、コミケットに参加するための新しい交通機関が加わるのはうれしい限り。もちろん、実際のコミケット開催期間中に東京BRTの運用がどうなるのかは、現状では分からないので、予定時刻にきっちり東京ビッグサイトに到着したい人は、やはり安定のゆりかもめを利用するのがオススメとなる。

(文=西澤浩一)
イメージ写真は東京BRT公式サイトより転載

 

筆者プロフィール
西澤浩一
編集・ライター。アニメやゲーム、ニコニコ動画関連書籍の編集に携わり、今ではオーディオ、生活雑貨、マネーなどさまざまなジャンルに手を広げている。コミックマーケットには一般・サークルでの参加経験あり。趣味はゲーム、マンガはもちろん映画鑑賞も。一人旅も好きで移動方法は主に鉄道(乗り鉄)である。